水資源・環境研究
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水問題と経済学
宮永 昌男
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1987 年 1987 巻 1 号 p. 48-55

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抄録

水問題はその社会経済的背景の変化とともに,移り変ってきたが,現在は転換期的状況にある。今後の展望を考えるために,水に関する経済学のかかわりについて,歴史的に概観を試みたい。
戦後の経済復興と水害の頻発状況の中で,階級闘争的な視点から問題提起した佐藤武夫は,「水の経済学」を著した最初の経済学者であった。彼の信念は正義感に裏付けられていたが,豊富な体験を踏まえた鋭利さがあった。
その後,アメリカから費用便益分析が,公共事業投資基準として導入され,機能的分析が中心となった。しかしそれにはかなり限界があり,絶対的なものではない。
ポスト高度成長期の現在,水の価値に公共経済的視点において生活者的発想基盤から,水に対する経済学も転換する必要がある。

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