水資源・環境研究
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北上川中流域・一関付近における地形と洪水
内田 和子
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1988 年 1988 巻 2 号 p. 21-32

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抄録

北上川中流の一関付近は水害常習地として知られるが,その地域の沖積平野の地形及び洪水に関する研究は少ない。
筆者は同地域の地形分類を行い,沖積平野及び洪水の特色を指摘した。その結果,本川の洪水形態には,溢水・ショートカット型,河道集中型,背水型の3種類があること,磐井川の洪水形態は破壊力の強い扇状地型であること,本川の背水型と磐井川の扇状地型の洪水を受ける一関市街地の水害は大きなものとなり,両川からの浸水範囲は一定の地域に限定されることが判明した。
これらの特色をもたらした原因を地質資料・1等水準点測量成果・洪水状況より考察し,地殻変動による影響の大であることを明らかにした。
さらに,遊水地建設に関連し,一関付近の地形と洪水に適合する治水計画の必要性を示唆した。

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