水資源・環境研究
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カリフォルニア渇水銀行の一考察
水配分における政府の役割
遠藤 崇浩
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2007 年 20 巻 p. 125-136

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抄録
現在、水資源の稀少性が広く認識されるにつれ、世界各地でその有効利用が論じられている。これに関して、1991年、カリフォルニア州で興味深い取り組みが行われた。「カリフォルニア渇水銀行(通称、水銀行)」である。当時、同州は渇水に見舞われており、稀少性の高まった水の配分問題が緊急の課題となっていた。水銀行はその解決策として導入されたが、その特徴は利水者問の自発的な水取引、いわば市場メカニズムの要素を取り入れた水利転用にあった。
一般に市場機構は資源配分の効率性を高めるとされているが、そもそも市場機構が機能するには政府が一定の役割一特に財産権の設定、取引のルールの執行といった法的枠組みの整備-を果たすことが必要不可欠である。こうした点に着眼し、この論文では、水銀行の全体像(設立経緯、しくみ、その有効性)を検討し、さらに水銀行を支える法的枠組み作りにおいて州政府が果たした具体的役割を明らかにする。
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