水資源・環境研究
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水源林管理における意思決定のあり方の国際比較
選好の多様性・因果関係の不確実性を基準としたモデルによる分析
高橋 卓也
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2007 年 20 巻 p. 87-100

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抄録

水源林管理における意思決定の類型を発見するため国際比較をおこなった。東京、バンクーバー(カナダ)、シアトル(米国)の3つの事例について分析し、Thompson and Tuden(1959)が提唱したマトリックス・モデルの4つのセル(意思決定戦略の類型を指す)のうち3つのセルに該当する意思決定のあり方が確認された。すなわち、東京=官僚主導=官僚構造による計算戦略、バンクーバー=政治家主導=代表構造による妥協戦略、シアトル=科学者主導=同輩合議構造による判断戦略という類型化をおこなった。規範的には、それぞれの類型は、選好の多様性・因果関係の不確実性の大小に対応すべきであるが、3事例においては若干の逸脱が見られた。水源林管理、水資源・環境問題において、意思決定戦略を選択するさいの適切さの確認、代替的な意思決定戦略への気づきを促すうえで、本モデルによる類型化は有益なものだと考えられる。

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