木材学会誌
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一般論文
古材の劣化調査
福勝寺本堂(重要文化財)垂木用材の食害と材質
斎藤 幸恵信田 聡太田 正光山本 博一多井 忠嗣大村 和香子槇原 寛能城 修一後藤 治
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2008 年 54 巻 5 号 p. 255-262

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抄録

重要文化財福勝寺本堂に用いられていた垂木で,施工年代が異なり(1500,1662,1836年頃),品等・使用環境が似通ったものの劣化調査を実施した。供試試料は全てアカマツである。ケブカシバンムシによる食害が,古い材ほど著しく進んでいた。食害部分を除いた,木材実質の経年変化を検討するために,未被食部のみを取り出して供試した。古材未被食部の酸化開始温度,および微小試験片の縦方向引張ヤング率は,現代材より低い傾向にあったものの,経年によって低下の程度が増すとは断定できなかった。未被食部のX線回折から求めたセルロース相対結晶化度には経年による増大の傾向が見られ,縦方向引張ヤング率との間に,弱い負の相関が見られた。また古い材ほどホロセルロース率が低下する傾向があり,経年による未被食部の成分変性を示唆していた。木材実質そのものの変性よりはどちらかといえば虫害の方が,実用上の性能低下に大きく影響すると考えられた。

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© 2008 一般社団法人 日本木材学会
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