木材学会誌
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論文特集「温暖化防止に寄与する“木材”」
ヤマブシタケ菌床栽培における廃菌床のリサイクル利用
高畠 幸司五十嵐 圭日子鮫島 正浩
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2008 年 54 巻 6 号 p. 327-332

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抄録

ヤマブシタケ菌床栽培において,栽培後に生じる廃菌床を培地材料に用いて再び栽培した。この工程を3回繰り返した。子実体収量は繰り返し3回目でも最初の培地(基本培地)と同等であった。しかし,廃菌床培地は1回目の廃菌床培地で子実体収量が最も多く,その後,リサイクルする毎に減少した。子実体収量はリサイクル2回目までは基本培地の1.3~1.4倍になった。1回目,2回目の廃菌床培地では,低分子α-グルカン,β-グルカンの含有量が多くなり,C-N比が低くなった。低分子グルカン並びにN源の増加が子実体収量の増加に寄与することが示唆された。ヤマブシタケ菌床栽培において,リサイクル2回目までの廃菌床は,培地材料として有用であることが明らかになった。

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© 2008 一般社団法人 日本木材学会
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