56 巻 (2010) 4 号 p. 265-273
トドマツ精英樹14クローン42個体を用いて,曲げヤング率(MOE),曲げ強さ(MOR)および気乾密度を調査した。それぞれの形質の調査は,樹心部(髄から17年輪まで)と辺縁部(18年輪以降)に分けて行った。また,そのうちの7クローン21個体を用いて,晩材仮道管S2層のミクロフィブリル傾角(MFA)の半径方向の変動を調査した。気乾密度とMOEおよびMORは,それぞれ有意な相関関係を示した。MFAの半径方向の変動パターンは,特に髄周辺の年輪部位においてクローン間で異なっていた。MFA,気乾密度,MOEの関係から,MOEの変動に対するMFAの影響は小さく,気乾密度の影響が大きいと考えられた。気乾密度,MOE,MORの樹心部と辺縁部の間には有意な相関関係にあり,比較的早期にこれらを評価できると考えられた。