抄録
東京大学付属演習林樹芸研究所にて植栽されたユーカリ6樹種を用いて,年半径成長量,成長応力解放ひずみ,伐採直後の心割れ率,気乾密度,ミクロフィブリル傾角を測定し,樹種間の比較を行った。成長量は個体によるばらつきが大きかった。成長応力解放ひずみと心割れ率は,E.signata,E.andreana,E.piperitaの3樹種で大きな値を持つ個体があった。気乾密度,ミクロフィブリル傾角は樹種間で有意な差がみられた。成長が速く,密度も高く,伐採後の割れが小さいと考えられるE.smithiiがもっとも木材利用の観点から有力であると考えた。