木材学会誌
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カテゴリーIII
製材JASの目視等級を基にした節評価モデルのパラメータの最適化
守口 海 柴田 直明今井 信山内 仁人吉田 孝久
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2016 年 62 巻 4 号 p. 133-145

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抄録

現行の製材JASの目視等級を基にした節評価モデルを定義し,焼きなまし法を用いて,そのパラメータの最適化を試みた。断面が120mm角の人工乾燥カラマツ心持ち材40本の曲げ試験データと材面の画像データを用い,節指標を説明変数とする回帰モデルの決定係数の最大化により,節評価モデルのパラメータの最適化を行った。その結果,従来の目視等級を説明変数とした回帰モデルと比較して,その決定係数は著しく大きくなったが,指標値を決定する節径比の種類には大きな偏りがあり,過剰適合が起こっていると考えられた。そこで材縁と集中の区別および単独節を廃した,簡略化した節評価モデルに修正し,そのモデルのパラメータを最適化したころ,前述のモデルと比較すると決定係数は低下したが,従来の目視等級を用いたモデルに比較すると大きく,単回帰モデルでは相関係数に有意な差が認められた。

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© 2016 一般社団法人 日本木材学会
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