2018 年 64 巻 3 号 p. 122-129
木材腐朽が生じた木材での,接合具を複数本用いる接合部の接合部耐力を把握することを目的として,褐色腐朽菌であるオオウズラタケ(Fomitopsis palustris)を用いて強制腐朽処理を施したトドマツ(Abies sachalinensis)製材にビスどめホールダウン金物を留め付けて,加力試験を行った。また試験終了後にピロディンを用いて鋼製ピンの衝撃打込み深さを測定した。その結果,接合具を複数用いる接合金物では腐朽劣化を受けたときの耐力低下は,単位接合部での場合と比較して穏やかであると結論付けられた。また,接合部せん断性能のうち,最大荷重,降伏耐力,終局耐力とピロディン打込み深さの間には負の相関が認められた。ビスを複数本用いる接合金物の腐朽材での降伏せん断耐力は,ヨーロッパ型降伏理論に基づいた計算によって安全側に算出されることが示された。