木材学会誌
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カテゴリーIII
ダケカンバ材の野球バット適性の評価
富田 夏生村田 功二 仲村 匡司秋津 裕志大崎 久司
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2020 年 66 巻 1 号 p. 39-45

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抄録

ダケカンバは北海道の先駆種でもあり蓄積量も多いが十分な活用がなされてこなかった。そこで価値の高い活用方法としてバット用材としての評価方法とその適正を検討した。バット用材に最も要求される物性を衝撃曲げ強度と考え,ダケカンバ材の繊維傾斜と衝撃曲げ強度および衝撃曲げ破壊エネルギーの関係を調べた。既存の報告に近い傾向が衝撃曲げ強度でも確認でき,ハンキンソン式の適用が可能であった。バット用材のグリップを模した試験体で衝撃曲げ試験を行い,既存のバット用材と比較した。密度および繊維傾斜を補正した結果,ダケカンバは既存のバット用材と破壊エネルギーと強度の両方で同等の性能を示した。実際に硬式野球バットを試作し,大学野球部で試打を行った。一週間の試打で破損は見られず実用に耐えうることが確認できた。アンケートの結果では打球感や飛距離などでも「良い」や「普通」の回答が大半をしめ,実用上問題がないことが確認できた。

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© 2020 一般社団法人 日本木材学会
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