2021 年 67 巻 1 号 p. 33-43
小~中型 (200~1200kW) の木質専焼ボイラーで,塗料や防腐剤等を含まないクリーンなチップや薪を燃焼させた場合に発生する灰 (12試料) について諸性状を調査した。灰は,粗砂~シルトに相当する細かな粉体であり,強いアルカリであった。主要な無機成分の含有割合は,CaOが最も高く,次いでK2O,これにMgOやSiO2が続き,さらにAl2O3,P2O5,MnO,Fe2O3が続く傾向が認められた。相関分析より,燃料中の樹皮比率や土壌の混入程度が,灰の組成や性状に大きく影響することが示唆された。試料における無機微量元素の溶出量や含有量について,土壌環境保全や資源の循環利用に関する指標と比較した。以上の結果を踏まえ,小規模で分散発生する燃焼灰の利用について考察を行った。