抄録
正極性CO2アーク溶接(以下,本溶接法という)において,Si-Mn-Ti-REM系ワイヤを用いることにより,
アークの集中と微細溶滴移行によるスパッタ発生量の低減,狭開先内でのアーク安定性向上,深溶込みの獲得
が可能となる1).建築鉄骨は厚鋼板の溶接が多いため,本溶接法の特性を活用した狭開先施工の適用により,
付着スパッタの除去工数の大幅削減,溶接施工時の工期短縮,施工コスト削減が可能となる.
そこで本報では,本溶接法用ワイヤの基本特性とパス間温度の適用範囲について,従来ワイヤと比較検討し
た結果を示す.