山階鳥類研究所研究報告
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Studies on the frequency of the taste-blindness for some substances among the Japanese people
鈴木 昭夫
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1952 年 1 巻 1 号 p. 28-31

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抄録

筆者は日本人に於ける数種薬品に対する味覚の個人差殊に味盲の頻度を調べた。その結果,安息香酸ソーダは一般に無味とされているが実際は何かの味を与え,苦味を感ずる人は男子で12.56%,女子では11.82%である。次に殺鼡剤A.N.T.U.では多くの人に苦味を与え,味盲者の頻度は男子で6.75%,女子では6.58%であつて,この値は米国人及豊橋市日本人の味盲頻度より遙かに小さい。又性差及び年令による差も明瞭に認められた。又マンノーズでは多くの人に甘味及び苦味と甘味の混合味を与える。味盲頻度は男子は女子より大で1.7%,女子は0.7%を示した。以上の事より味覚の個人差特に味盲の頻度は人種により又地域により多少の差が認められるのを知る。

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© Yamashina Institute for Ornitology
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