山階鳥類研究所研究報告
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プロラクチンを利用する家鷄就巣性除去の研究(II)
山階 芳麿
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1953 年 1 巻 3 号 p. 83-85

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抄録

1953の観察を要約すれば次の通りである。
1951年生れ F1就巣♂に弱就巣♀を交配して得た3羽の雌の内455-49のみが第1年度(1952)と同様に就巣した。併し他のものは第2年度(1953)には1羽も就巣しなかつた。
1952年生れ F1不就巣♂×不就巣♀を7羽(2♂,5♀),不就巣♂×弱就巣♀を9羽(1♂,8♀),不就巣♂×強就巣♀を1羽(♀)を得たが,1953年には1羽も就巣しなかつた。
1952年生れ F2(不就巣♂×不就巣♀)♂に対し(不就巣♂×不就巣♀)♀を交配したものを5羽,(不就巣♂×弱就巣♀)♀を交配したものを2羽,(不就巣♂×強就巣♀)♀を交配したものを1羽(以上何れも♀)得たが,これ等は1953年には1羽も就巣しなかつた。
以上の如く1952年生れの雌には1羽の就巣雌も出なかつたのであつて,これはこの鶏群に就巣因子が減少した結果と思われるが,併し一面1953年の夏は平年より低温であつたために就巣に適しなかつた事も考慮の要があると思われる。即ち1951年生れの455-38は1952年には就巣したのに1953年には就巣しなかつたし,又筆者の飼育している就巣性白色レグホンは1952年には6羽就巣したのに1953年には2羽しか就巣しなかつた。従つて気温の平常なる1年間の成績が待望される次第である。

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