山階鳥類研究所研究報告
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照葉樹林に生息するシジュウカラおよびヤマガラのヒナの餌消費量について
江口 和洋
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1979 年 11 巻 1 号 p. 1-18

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抄録

1)1974年から1977年にかけて,佐賀県神埼郡権現山と福岡市立花山の照葉樹林に生息するシジュウカラおよびヤマガラの繁殖生態を調査し,ヒナの餌消費量を測定した。
2)シジュウカラの餌の70%ほどは鱗翅目幼虫で占られ,次いで鱗翅目成虫,クモ,ハバチの幼虫が多く食われる。平均餌重量は87mg.dr.で,40~80mg.dr.の餌が最も多い。ヤマガラでは鱗翅目幼虫の割合は45%にとどまり,代わって鱗翅目成虫とクモの割合が増えている。平均餌重量は42.8mg.dr.で,40mg.dr.以下の餌が最も多い。
3)給餌頻度は,シジュウカラではヒナの成長中期で高いが(約21回/ヒナ/日),他の時期では13回/ヒナ/日ほどで安定している。ヤマガラは一度に平均して1.59個体の餌を運ぶ。ふ化直後に少し低いが,4日目以後に約14回/ヒナ/日(22個体/ヒナ/日)で安定する。
4)巣立ち直前のヒナの1日の餌消費量は,シジュウカラでヒナ当たり4.67g.fr.(体重の29.0%)で,ヤマガラではヒナ当たり3.16g.fr.(体重の19.4%)である。
5)餌構成,給餌頻度,餌消費量について,違ったハビタット間,およびシジュウカラ,ヤマガラ間で比較し,考察した。

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