1980 年 12 巻 2 号 p. 102-105
1.ライセンサス法の研究の第VII報として,生息密度自体と記録率の関係について新たに解析した結果を述べた。
2.滝沢の9年間のデータおよび各地域間のデータについて,総合記録率と生息密度の関係を見たところ,いずれも有意な相関を持たなかった。Song記録率についてもほぼ同様な結果であった。
3.これらの結果から,経験的に求めた総合記録率を用いて生息密度を推定する手法の有効性がさらに高まったと考えられた。
4.密度増等によってSong記録率が高まっても総合記録率の変化は少ない原因として,Song,Callおよび移動活動などの間に拮抗的関係があることが推測された。