山階鳥類研究所研究報告
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北太平洋におけるハジロミズナギドリの分布と分布域の表層水温について
田中 裕
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1986 年 18 巻 2 号 p. 55-62

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抄録

1.東京大学海洋研究所淡青丸•白鳳丸航海中に行なった海鳥の目視観察に基づき,ハジロミズナギドリの北太平洋における分布と分布域の表層水温との関係を調べた。
2.ハジロミズナギドリは繁殖期には北太平洋西部の極前線域に,非繁殖期には北太平洋を東西に広く分布していた。
3.ハジロミズナギドリが最も陸地に接近したのは,2月の伊豆諸島三宅島周辺海域と9月の三陸沖100浬の海域であった。
4.分布域の表層水温は,8~28°Cの範囲にあり,最多分布域は5月の8°Cの水温帯であった。5月以外は,12~26°Cの範囲に平均的に分布していた。このことからハジロミズナギドリは繁殖地環境と同じような温暖域を好適水温としながら,一方,寒冷域も生息場所として選択できる種類であると考えられた。

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