1989 年 21 巻 1 号 p. 84-89
1.北海道の大黒島でコシジロウミツバメの雄•雌のChatter-callとPurr-callの再生実験を行った。
2.コロニーから少し離れた地点にスピーカーを置き鳴声を再生すると,Chatter-callを発しながら多くの鳥が上空に集まった。
3.反応した個体の性をそのChatter-callを分析して調べたところ,異性の鳴声に反応していることがわかった。
4.巣穴中の個体への再生実験では,同性の鳴声に反応することが既にわかっている。従って,これらの鳴声は再生実験の方法の違いによって全く逆の性の個体の反応を引き起こすことが出来ることになる。
5.このことは同じ鳴声が状況の違いによって複数の意味を持つことを示している。