山階鳥類研究所研究報告
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ヤンバルクイナの形態,解剖学的所見および他のクイナ類との比較
黒田 長久
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1993 年 25 巻 1 号 p. 12-27

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抄録

1992年7月8日沖縄島東村北部新川ダムサイトで犬の咬傷で死亡し,同村教育委員会で冷凍保存され,その後我孫子市鳥の博物館に送られたヤンバルクイナ雄幼鳥についてその形態測定と解剖を行った。この標本と1992年11月石垣市ダム下流道路で拾われたオオクイナ,筆者所有の断片的記録資科(クイナ,ヒクイナ,ツルクイナ,ムナジロクイナ,バン,タスマニアバン(無飛力),オオバン)を用い,外形態の翼開型や剥皮体の各部測定(黒田1961),胸骨,腰骨,胸筋量,脚節量,臓器重量などを調べた。ヤンバルクイナは胸骨,胸筋が縮小し,無飛力化が進んでおり,脚筋は発達し,胸筋の約4倍の量があった。上膊骨は短細化し,大腿骨は太く上膊骨より長かった。脚も長く地上走行から樹上塒への登攀にも十分適応を示していた.

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