山階鳥類研究所研究報告
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秋冬季におけるチベットヤマウズラのハビタット選択と群れサイズ
廬 欣索郎 次仁
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2002 年 33 巻 2 号 p. 168-175

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抄録

チベットヤマウズラ(Perdix hodgsoniae)のハビタット選択と群れサイズの変化を,チベットのラサ山地において1995年11月から1996年2月にかけて調査した。調査地内のハビタットは7タイプに分類され,晩秋から初冬(11~12月)にはチベットヤマウズラの群れは全てのタイプを利用していた。しかし晩冬(1~2月)になると,群れは南向きの斜面や農地に見られる3タイプのみでしか観察されなかった。バラ属の1種(Rosa sericea)やメギ属の1種(Berberis hemleyana)の優占したやぶのある川沿いが,秋冬を通じてもっとも好まれていた。ハビタット選択に影響している主要な要因は餌の利用可能量であると考えられた。チベットヤマウズラは日中にも川沿いの密なやぶの中で昼ねぐらをとっていた。また夜間のねぐらの多くはより標高の高い場所の,とりわけ北向き斜面の密な低木植生下の地上にあった。群れが観察される頻度は,晩秋から初冬には1時間あたり0.78羽であったが,晩冬には0.37羽と季節の進行とともに減少し,平均群れサイズも7.41羽から5.21羽へと変化した。

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