2004 年 36 巻 1 号 p. 15-21
マレーシア西部,海岸近くの渡り鳥観察地であるタンジュントゥアンにおいて,2001と2002年の3月に,渡り途中のハリオハチクイ Merops philippinus とルリノドハチクイ M.viridis の個体数をカウントした。両年合わせて26日間で計2,226羽(12.9羽/h)のハリオハチクイとルリノドハチクイが出現した。そのうちの60.8%(1,353羽)がハリオハチクイ,10.0%(222羽)がルリノドハチクイであった。両種のハチクイは,他の風向きと比べて西方向(北西,西,南西)の風が吹いたときに,多く出現した。タンジュントゥアンでは,渡り途中のハチクイが春期に定期的に出現し,今後も出現すると予測されることから,この東南アジアの渡り鳥観察地において,春期のカウントを今後も行いたい。