化学教育
Online ISSN : 2432-6542
希土類元素からみた初期太陽系と惑星進化(宇宙の化学)(<特集>宇宙と化学)
中村 昇
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1984 年 32 巻 6 号 p. 480-482

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抄録

希土類元素は相互に性質がよく似ているため, 宇宙における高温過程から地球・惑星上のさまざまな物理・化学過程を通じて, 常に14個の元素が一緒に行動する。しかし, 宇宙や惑星の極限的な環境下では, その物理的化学的条件に対応して, 希土類元素の組成が原子番号とともにかなり規則的に, 連続的に変化することもある。また, 著しく酸化的環境あるいは逆に還元的環境下では特に目立ったふるまいをする元素も2, 3存在し, これは希土類元素の異常性として知られている。このような希土類元素の化学的性質の一様性と連続性および異常性の織り成す元素組成の多様なパターンは, 宇宙や惑星からの情報として貴重な役割を演ずることになる。

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© 1984 公益社団法人日本化学会
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