2008 年 46 巻 1 号 p. 17-23
プロバイオティクスを摂取する,すなわち生きた細菌を食べて健康を得る.ヒトは細菌に対する備えとして免疫などの系を発達させてきた.そしてまた,細菌を食べるという食文化も生み出してきた.近年,科学は安全に食することができ,さらに宿主の系を刺激してヒトの自然防御力を引き出す能力を有する菌株を選択し,プロバイオティクスとして利用することを始めた.プロバイオティクスの研究は,現在どこまで進み,今後どのような展開を見せようとしているのか.自然防御の可能性を中心にその展望について述べる.