化学と生物
Online ISSN : 1883-6852
Print ISSN : 0453-073X
ISSN-L : 0453-073X
解説
人工多能性幹細胞の樹立と展望
中村 友紀山中 伸弥
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 46 巻 8 号 p. 531-538

詳細
抄録

分化多能性をもち,その性質を維持したままほぼ無限に増殖させることができる胚性幹細胞,ES細胞は細胞移植治療や創薬試験系への応用に大きな期待が寄せられてきた.しかし,その作製には受精卵が必要になることから倫理的に慎重な運用が求められ,また他家移植となることから免疫拒絶の制御という問題も抱えていた.これらを回避すべく,真に臨床応用可能な幹細胞の開発を目指し,様々な研究が行なわれている.ここでは,その試みから生まれた人工多能性幹細胞,iPS細胞について,樹立までの経緯とそのインパクト,展望について触れたい.

著者関連情報
© 2008 by Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
前の記事 次の記事
feedback
Top