化学と生物
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一粒子検出による新しいインフルエンザウイルス検査法
伊藤 正恵白井 伸明水上 民夫長谷川 慎
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2009 年 47 巻 12 号 p. 823-830

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抄録

蛍光相関分光法(FCS)は,蛍光標識分子の溶液内挙動を分子レベルで観察できることから,バイオサイエンス分野でタンパク質など生体分子間の相互作用解析に利用されている.高感度・迅速・微量・均一溶液での測定といった他に見られない特性を生かして,臨床検査分野などへの実用化も期待できる.このFCSの測定原理を基礎として,ウイルスや細菌の粒子数を計数する,その遺伝子型の識別に利用する,毒素などの微生物由来タンパク質を直接検出する,など多面的に展開応用することにより,感染症の新規診断技術の開発につなげる試みとして,FCS測定を粒子検出に特化させてインフルエンザウイルスを高感度に検出する方法について紹介する.

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© 2009 by Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
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