化学と生物
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解説
植物品種識別におけるDNAマーキングという考え方
松山 知樹
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2009 年 47 巻 3 号 p. 169-175

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抄録

栄養繁殖作物では,枝変わりなどの小さい変異で優良形質を得ることができる反面,品種・産地判別や権利保護のためにはDNAレベルの新しいトレーサビリティー手法の開発が必要な状況にある.これに対応すべく,物理的変異原処理後,形態・形質に変異のない個体を選抜し,ゲノムDNA中の反復配列から変異領域を見いだすことで品種内識別に資する「DNAマーク」の作成を行なった.ここでは,この一連のスキームを「DNAマーキング」として紹介する.同時に,膨大な非遺伝子領域を含む塩基配列情報をもたらした基礎ゲノム研究の成果が実用段階に直結のツール開発につながった事例として,キク・ランの実例を挙げて解説する.

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© 2009 by Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
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