化学と生物
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タンパク質構造から機能を推定する:構造バイオインフォマティクス
由良 敬
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2010 年 48 巻 1 号 p. 43-50

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抄録

「タンパク質の構造を決める」シリーズの第6回では,決定されたタンパク質の立体構造から機能を推定する方法について概観する.過去5回の解説では,タンパク質構造解析法の最前線が紹介されてきた.機能がすでによくわかっているタンパク質の立体構造を決定すると,そのタンパク質がどのように機能しているのかを化学的に理解することができるようになる.特に酵素の場合は,反応機構の詳細を明らかにできる.しかし近年,タンパク質の機能解析において,別のアプローチが登場してきた.ある生物種のゲノム全塩基配列を決定できるようになった結果,生物は新規のタンパク質をたくさんもっていることが明らかになった.このタンパク質がどのような機能をもっているのかを知るための手段のひとつとして,そのタンパク質の立体構造決定も行なわれている(構造ゲノミクス).新規タンパク質の機能を立体構造から推定しようという試みである.これは今までにない新しいアプローチであり,立体構造から機能を推定する問題として,構造バイオインフォマティクス研究者による挑戦が続いている.ここでは,タンパク質の立体構造からどのようにして機能を推定するのか,そしてどこに困難な点があるのかを紹介する.

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© 2010 by Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
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