化学と生物
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解説
分泌タンパク質にジスルフィド結合を形成する仕組み
ジスルフィド結合形成反応中間体の検出
門倉 広
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2010 年 48 巻 10 号 p. 695-705

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抄録

ジスルフィド結合は多くの分泌タンパク質の構造中に見いだされる分子内架橋構造であり,これらのタンパク質の立体構造形成や活性発現に重要である.近年の,特に大腸菌ペリプラズムにおける研究から,分泌タンパク質に効率よくジスルフィド結合を導入するためには様々な酵素や低分子物質の働きが必要であることが明らかになってきた.しかし,それらの因子が触媒する個々の反応のメカニズムの詳細についてはまだ多くのことが不明である.大腸菌ペリプラズムのジスルフィド結合導入酵素DsbAが分泌タンパク質にジスルフィド結合を導入する過程では,酵素と分泌タンパク質の間に共有結合中間体が形成される.最近,このような反応中間体を実際に生体内で検出することに成功した.その中間体の解析から,ペリプラズムにおけるタンパク質の折りたたみ過程に関して様々な知見が得られた.

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© 2010 by Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
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