2011 年 49 巻 2 号 p. 100-107
真核生物のタンパク質品質管理に関わるユビキチン(Ub)システムにおいて,Ubリガーゼは標的タンパク質に結合し,Ubを連結する重要な酵素である.発酵食品やバイオ燃料の製造に使用される酵母において,Ubリガーゼの一つRsp5がストレス環境下で細胞内タンパク質の修復・分解に関与する可能性が提唱されている.ここでは,ストレスにおけるUbシステムの機能について,特にRsp5の役割を中心に概説する.また,Ubシステムの機能を強化した酵母を育種する試みも紹介する.