化学と生物
Online ISSN : 1883-6852
Print ISSN : 0453-073X
ISSN-L : 0453-073X
解説
ストリゴラクトンの生物活性を担う立体化学の重要性
上野 琴巳滝川 浩郷杉本 幸裕
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 51 巻 1 号 p. 36-42

詳細
抄録

植物ホルモンの一つであるストリゴラクトンを立体制御しないで有機合成すると,少なくとも4つの立体異性体が生成する.これら異性体のなかで高い生物活性を示す立体はある程度限定されているものの,いずれの異性体も高濃度では活性を示すと考えられてきた.しかし生物種によってはストリゴラクトンの立体を厳密に認識し,活性を示した立体以外の異性体は,逆に阻害作用を有することが明らかになってきた.ここではストリゴラクトンの立体異性体とさまざまな生物種に対する活性の違いについて概説する.

著者関連情報
© 2013 by Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
前の記事 次の記事
feedback
Top