化学と生物
Online ISSN : 1883-6852
Print ISSN : 0453-073X
ISSN-L : 0453-073X
解説
酵素法により製造されたイヌリンと低脂肪食品への利用
和田 正田中 彰裕
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 51 巻 6 号 p. 376-382

詳細
抄録

筆者らは,スクロースをイヌリンに変換する酵素生産細菌 Bacillus sp. 217C-11 株を見いだすことに成功した.この酵素は,イヌロスクラーゼに分類される新規な糖転移酵素であることが明らかになった.また,酵素の反応条件を任意に選択することによって合成されるイヌリンの平均鎖長を制御できることもわかった.こうして作られたイヌリンは,植物由来のイヌリンに比べて水溶性が高く,食品加工特性に優れるものであった.近年では,脂肪に似た食感のゲルを形成する性質を利用して,油脂含有食品の低脂肪化のための素材としての利用が拡大している.

著者関連情報
© 2013 by Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
前の記事 次の記事
feedback
Top