化学と生物
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解説
環境ストレスとゲノム進化
トランスポゾンの生物学的意義
伊藤 秀臣
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2013 年 51 巻 9 号 p. 603-608

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抄録

動く遺伝子であるトランスポゾンは,われわれを含むほとんどの生物がもっている内在性の因子である.科学の進歩とともに,トランスポゾンの役割,存在意義が重要視されるようになってきた.というのも,トランスポゾンは生物の発生過程で必要な遺伝子発現を調節するなど,生命の存続に重要な役割を果たすことが明らかになってきたためである.では,トランスポゾンはいつ,どのように維持,保存されてきたのであろうか? ここでは,環境ストレスが引き起こすトランスポゾンの活性化とトランスポゾンの転移がもたらすゲノム進化について解説したく思う.

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© 2013 by Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
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