2014 年 52 巻 7 号 p. 453-459
抗老化あるいは生体防御賦活効果を有する食品因子の探索と機構究明に,線虫を実験動物として用いることの可否を検討した.栄養学研究の常識である被験物質の経口投与や体重変化の測定を可能にするため,新たな経口投与法を開発するとともに投影面積を体重の代替データとする方法を提案した.また,加齢に伴う日和見感染モデルとしても線虫を用いることができることを示した.本実験系を用いて寿命延長効果や生体防御賦活効果を有する細菌や食品因子を複数発見することができた.線虫は栄養学研究における代替実験動物たりえると考える.