化学と生物
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解説
石油資源に依存しない化成品原料となるリシノール酸の分裂酵母による分泌生産系の開発
植村 浩
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2016 年 54 巻 9 号 p. 626-632

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抄録

リシノール酸にはさまざまな工業的用途があり,特にウレタンなどの化成品原料として注目されている.筆者らはこのリシノール酸の分裂酵母での生産を試みた.リシノール酸は水酸基を含む特殊な脂肪酸であるため酵母の増殖を阻害したが,その増殖阻害を抑圧する遺伝子としてホスホリパーゼA2活性をもつplg7が見いだされた.Plg7pはリン脂質上で合成されるリシノール酸をリン脂質から切り出して細胞膜の機能を回復して増殖を戻すと考えられたが,同時に切り出された遊離リシノール酸は細胞外へ分泌された.本来脂肪酸や脂質を分泌できない分裂酵母でリパーゼの活用により遊離リシノール酸を細胞外へ分泌生産できる可能性が示された.

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© 2016 by Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
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