化学と生物
Online ISSN : 1883-6852
Print ISSN : 0453-073X
ISSN-L : 0453-073X
解説
シロイヌナズナ種内系統間におけるエピゲノム多様性
1001エピゲノムプロジェクト
川勝 泰二
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 55 巻 12 号 p. 810-816

詳細
抄録

エピゲノムとは生物がもつDNAメチル化やヒストン修飾などの全情報であり,全塩基配列情報であるゲノムと同様に細胞分裂を経ても遺伝しうる.エピゲノムの変化はゲノムへのアクセシビリティや機能,クロマチン構造を変化させる.したがってエピゲノムの変化は塩基配列を変化させることなくエピジェネティックに遺伝子発現や表現型の違いを生み出すことができる.近年ゲノム多様性は積極的に作物育種に取り込まれている一方で,エピゲノム多様性に関する知見は限られており,作物育種への利用にはほど遠い.本稿ではモデル植物であるシロイヌナズナにおけるエピゲノム多様性とその生物学的意義に関する研究について紹介する.

著者関連情報
© 2017 公益社団法人 日本農芸化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top