化学と生物
Online ISSN : 1883-6852
Print ISSN : 0453-073X
ISSN-L : 0453-073X
解説
葉緑体核様体の進化と構造のダイナミクス
見えてきた葉緑体核様体の形の制御機構とその進化史
小林 優介三角 修己西村 芳樹
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 56 巻 10 号 p. 651-658

詳細
抄録

藻類や植物の葉緑体は光合成によって地球上のほぼすべての生命活動を支えている.葉緑体には,シアノバクテリア様の祖先から引き継がれた独自の葉緑体DNAがあり,これらは光合成装置の構築や植物の生存上必須な要素である.葉緑体DNAは裸でストロマを浮遊するのではなく,多様なタンパク質によって折り畳まれて“核様体”を構築する.葉緑体核様体は,いわば葉緑体にとっての「染色体」であり,細胞核の場合と同様に,葉緑体DNAの複製・分配の基盤である.この葉緑体核様体構造がもつ進化学的,形態学的なダイナミズムについて俯瞰する.

著者関連情報
© 2018 公益社団法人日本農芸化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top