化学と生物
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解説
擬似基質による酵素の誤作動を利用する基質特異性変換
酵素の勘違いを引き起こす分子の設計
荘司 長三
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2018 年 56 巻 9 号 p. 621-626

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抄録

酵素の基質特異性を変換するためには、変異導入による酵素自体の改変が一般的であるが、標的基質に形を似せた「擬似基質」(デコイ分子)を酵素に取り込ませると、標的基質とは構造が大きく異なる基質が野生型の酵素と反応するようになる。長鎖脂肪酸を水酸化するシトクロムP450BM3に、長鎖脂肪酸よりも分子の長さが短いカルボン酸をデコイ分子として取り込ませると、シトクロムP450BM3が標的基質を取り込んだと勘違いして誤作動を起こし、エタンやプロパンなどのガス状アルカンやベンゼンを水酸化できるようになる。

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© 2018 公益社団法人日本農芸化学会
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