化学と生物
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解説
運動による骨格筋肥大メカニズム
筋タンパク質同化にかかわる運動シグナル
小笠原 理紀
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2021 年 59 巻 8 号 p. 377-384

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抄録

骨格筋は可塑性に富んだ組織であり,物理・化学(代謝)的環境の変化に応じて機能・形態的に順応する.たとえば,筋力トレーニングのような過負荷によって筋肥大や筋力の増加が生じる.反対に,寝たきりなどの不活動によって筋萎縮や筋力の低下が生じる.骨格筋は運動器としてのみならず代謝臓器としても重要な役割を果たすことから,その機能・量調節メカニズムの理解はわれわれの健康維持増進を図るうえで重要な基盤となる.本稿では,運動による骨格筋肥大の分子機構について,タンパク質代謝調節機構を中心に最新の知見を紹介する.

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© 2021 公益社団法人日本農芸化学会
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