2024 年 62 巻 3 号 p. 122-128
SREBP(Sterol-regulatory element-binding protein)は脂質代謝を包括的に制御する転写因子である.脂肪酸およびコレステロール合成に関与する酵素群の遺伝子発現を制御しており,生体内の脂質代謝制御において中心的な役割を担っている.肥満や脂肪肝さらにはII型糖尿病状態では,肝臓におけるSREBP-1cの過剰な活性化が起きており,その抑制は症状を改善することから,SREBP-1cの活性抑制はこれらの疾患の治療標的として期待されている.近年,SREBP活性を抑制する生体成分や天然由来の低分子化合物が報告されており,本稿では細胞におけるSREBP活性制御機構に加え,それらの化合物の作用機序を紹介する.