2020 年 19 巻 p. 87-97
「特別の教科 道徳」が小学校に続いて中学校においても全面実施された。道徳教育の抜本的な改善・充実を実現するためには、道徳科の授業の一層の充実を図らなければならない。 道徳的価値の自覚を図り、自己の生き方・人間としての生き方を考える道徳科の授業を充実させるためには、徹底して「考え、議論する道徳」、「主体的・対話的で深い学び」のある道徳の授業にすることが必要である。それには、「議論する」や「対話的な学び」という表現を、生き方を考える道徳の授業に相応しい「対話」という用語に置き換えて、対話を重視し、子供達がひたすらに考える授業を展開することが重要であると考える。 本稿は、道徳科の授業において対話を重視することの意味と必要性を明らかにし、その授業の在り方をイメージしようとするものである。