土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
海岸堤防の粘り強さ向上による減災効果の感度分析
渡辺 国広姫野 一樹榊原 弘有村 盾一八木 裕子越智 達郎諏訪 義雄
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2015 年 71 巻 2 号 p. I_1597-I_1602

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抄録

 海岸堤防が津波越流に対して粘り強い構造となることが背後地における家屋被害軽減や避難時間確保に及ぼす影響について定量的に感度分析するために,43ケースの津波浸水シミュレーションを実施した.津波の規模と破堤遅延時間を変えて計算したところ,堤防の破堤が遅れることで津波浸水範囲の低減,背後地における津波到達の遅延が起こり,その効果は津波の規模が小さい時ほど顕著であることが確認された.また,堤防の破堤遅延時間が長くなると,内陸部における二線堤等による減災効果がより高くなることも確認された.堤防の残存率を変えた計算では,減災効果を得るにはある一定以上の残存率が必要であることを示唆する結果が得られた.これらの結果は,粘り強い構造の海岸堤防に関する技術開発の意義を示すものとなった.

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© 2015 公益社団法人 土木学会
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