2015 年 71 巻 2 号 p. I_1747-I_1752
近年,沿岸域生態系による大気中CO2吸収機能の活用が,将来の気候変動対策における重要なオプションの一つとして注目されている.その定量的な評価のためには,沿岸域が大気中のCO2をどの程度吸収・放出しているのか正確に計測する必要がある.しかしながら,従来の一般的な測定手法では長期的かつ広域でデータを採るために多大な労力を必要とするため,時空間変動の大きい沿岸域での解析に用いるのには限界がある.本研究では,無人計測・直接測定が可能な渦相関法に注目し,沿岸域での長期測定データをもとにした計測データの品質管理手法を開発した.