土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
サンゴ礫海浜の遡上帯における透水特性と堆積特性
藤川 大樹田島 芳満竹森 涼岩塚 雄大琴浦 毅茅根 創
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2015 年 71 巻 2 号 p. I_55-I_60

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抄録

 サンゴ礫海浜では,粒径が大きく比重が軽いというサンゴ礫の特性から,通常のシリカ底質の海岸とは違った水理特性や海浜変形特性が見られる.本研究では,西表島沖合に位置する,サンゴ礫で形成されたバラス島を調査対象地とし,現地調査及び数値計算に基づき,サンゴ礫海浜の遡上帯における透水特性と堆積特性を明らかにすることを目的とした.表層堆積礫の粒径の分布を分析することにより,高潮位,高波浪時に比較的粒径の大きいサンゴ礫が標高の高い位置まで積み上げられている事が推察された.また,礫層内に設置した波高計の計測結果から,礫層内に波動が浸透している事が確認された.さらに,透水層を考慮した数値計算より,サンゴ礫層における透水係数は通常の砂浜におけるそれに対して大幅に大きいことが明らかとなった.

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© 2015 公益社団法人 土木学会
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