2015 年 71 巻 2 号 p. I_925-I_930
設置位置が地盤面よりも高い位置になる高圧ガス貯槽施設を対象に水理模型実験および3次元VOFによる数値解析を行い,遡上津波の荷重作用メカニズムを分析するとともに,FEMAの荷重算定式の適用性を考察した.最大水平力についてはFEMA式が概ね適用可能であることを確認した.鉛直力については,たて置円筒形貯槽および球形貯槽では,剥離せん断層の形成に伴う負圧により下向きの力が作用すること,横置円筒形貯槽では,津波衝突時に静的な浮力を上回る上向きの衝撃力が作用することなど,従来の設計において考慮されていない現象を明らかにした.