積雪寒冷地域の河口域において,大規模津波の発生時は河川結氷の破壊,氷板の大量輸送と,これらに付随する河川構造物との衝突が発生する場合がある.本研究では,水理実験により氷板群の輸送を伴う大規模津波を再現し,氷板群が橋桁に及ぼす波力の特性を明らかにした.その結果,河川結氷の存在しない開水時と比較すると,氷板群が存在することで橋桁周辺で閉塞現象が発生し津波の堰上げが発生することが分かり,津波が減衰するまで大きな波力が発生することが確認された.また,波力の時間変動は氷板の量に依存し,氷板量が多い時には急激で,少ない時には緩やかな波力の増加が見られた.氷板の存在により抗力係数は1.5~2倍程度まで増加し,橋桁の支承は波力の増加分に耐え得る設計とする必要性が示唆された.