2016 年 72 巻 2 号 p. I_1615-I_1620
東北地方太平洋沖地震では,津波避難ビル等が火災の危険に晒された事例が多数報告されており,津波避難ビル等の津波火災に対する安全確保は課題である.従来の津波火災のリスク評価では,一定のエリア内の出火件数や規模をマクロ的に予測するものが主であるが,避難ビル等の火災リスクを検討する上では,局所的な地形や周辺建物の状況を考慮したモデルが不可欠である.本研究では,津波災害直後の航空写真および航空レーザ測量データをもとに津波瓦礫の分布量を推定し,瓦礫堆積パターンと火災リスクの関係を分析するとともに,100mメッシュによる局所的な火災のリスクを推定する統計的モデルの構築を行った.