土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
数値解析と波動理論に基づく静水圧近似の適用範囲に関する検討
長谷部 雅伸多部田 茂早稲田 卓爾
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2016 年 72 巻 2 号 p. I_19-I_24

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抄録

 浅水場の数値解析における静水圧近似の適用性について,数値解析と波動理論による検討を行った.ソリトン分裂を伴う津波の遡上実験について静水圧モデル,非静水圧モデルおよび両者を動的に接続したモデルによって再現解析を行い,数値モデルの妥当性を検証するとともに,格子間隔や静水圧近似の適用による波形の再現性への影響を検討した.その結果,波形の分裂現象の再現には水平方向の格子サイズを十分小さくするとともに波峰を含む前後の非静水圧成分を考慮することが重要であることが分かった.この数値解析結果を踏まえ,格子間隔と流速値で定義される二つの静水圧パラメータδ=Δz/Δx,ε=|w/u|について非線形長波理論と有限振幅波理論に基づく理論検討を行った.その結果,浅水場の数値解析における具体的な静水圧近似の適用範囲としてδε<0.0087かつε2<0.03を導出した.

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© 2016 公益社団法人 土木学会
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