2016 年 72 巻 2 号 p. I_229-I_234
高潮浸水想定において必要となる台風や低気圧の経路の設定のための感度分析や,計算に必要な気圧場のデータ作成を行った.
その結果,台風の経路については,海岸の向きや形状,風向により潮位偏差が大きくなる方向がある程度予想できるとともに,感度分析を通じて潮位偏差が最大となる経路の絞り込みが可能であることを確認した.また,台風以外の低気圧データについては,自然近傍(シブソン)補間を用いた作成方法を提案し,気圧が観測値に近い値となることを確認した.低気圧の経路設定については,最低中心気圧の位置に加え,海岸地形や風向を考慮した感度分析が必要であることが分かった.