抄録
発生頻度の増加が指摘されている冬季の爆弾低気圧は,2014,2015年に相次いで根室で高潮被害をもたらすなど,台風とは異なる新たな高潮外力として対策が求められている.本研究では根室湾付近を通過する冬季の温帯低気圧による高潮リスクを,アンサンブル気象場による高潮発達過程の三次元数値計算結果を基に,統計的に評価する.高潮発達過程における湾内の流れ場は,海上風と湾奥方向への水位勾配により駆動され,外洋における典型的なエクマン螺旋構造とは異なる流れ場が形成される.また,湾内水位と高潮継続時間は低気圧経路に対する感度が高く,今後 2014年と同程度の規模の低気圧であっても経路によっては湾奥水位が非常に高くなる危険性があることを示す.